WindowsXPシステムのバックアップ手順
システムのバックアップは、すぐれもののフリーソフト「Paragon Backup & Recovery」を利用されるのがよろしいと思います。こちらを参照願います。(管理人)
Windowsに最新のドライブや各種ソフトウェアをインストールすることで、システムが不安定になったり、起動できなくなってしまう場合がある。このような状況に備えてWindowsのインストール完了後に、まずシステムパーティションのバックアップを行なっておく。システムが不具合な状態になっても、直ぐもとの状態に戻せる。以後、新しいドライバや不安定なソフトをインストールする際は、その都度バックアップをとっておき、常に元の安定した状態に戻せる環境を整えておく。そのバックアップ手順を記す。すばらしい機能を紹介していますが、すべての機能を実際に実行していませんので、よろしくお願いします。(管理人)
1.WIM 形式イメージファイルについて
Windowsシステムのバックアップは、imagex.exe コマンドを追加したWindowsPE 2.0を使用する。 ImageX は、WIM 形式のイメージファイルを作成/展開するためのコマンドラインユーティリティである。ImageXでは、セク単位でなくファイル単位でボリュウムをキャプチャおよび展開する。一般的なイメージバックアップソフトでは、復元時に復元先の内容がすべて置き換えられてしまうが、ImageXではファイル単位で展開されるため、イメージファイルに含まれないファイルが復元先から消去されないという利点がある。また、イメージファイルを展開先と同じパーティションに置くことも可能である。なお、WIM 形式のイメージファイルには、複数のイメージを格納できるが、同一のファイルが複数存在した場合は、イメージファイル内には1つだけ格納する。これにより、複数の環境に対応する(重複ファイルが多く存在する )イメージファイルを作成する際、ファイルサイズを最小限に抑えることができる。
2.imagex.exe コマンドの形式
操作内容 | 形 式 |
イメージの キャプチャ |
imagex /capture <バックアップ対象> <イメージファイル> <イメージの名前> |
イメージの 展開 |
imagex /apply <イメージファイル> <適用するイメージインデックス> <展開先のパス> |
イメージの 追加 |
imagex /append <バックアップ対象> <イメージファイル> <イメージの名前> |
設定ファイル を利用した イメージの 追加 |
imagex /append /config <設定ファイル> <バックアップ対象> <イメージファイル> <イメージの名前> |
イメージ ファイルの 情報を表示 |
imagex /info <イメージファイル> |
イメージ ファイルの 情報を表示 |
imagex /info <イメージファイル>|findstr /<バックアップ対象"文字列"> /<バックアップ対象/NAME> |
イメージの 削除 |
imagex /delete <イメージファイル> <イメージインデックス> |
3.WindowsPE 2.0 を使用する
先ず、パソコンをWindowsPE 2.0のCD-Rを準備しなければならない。手持ちにない方は、WindowsPE 2.0 のCD-Rの作成方法で 作りましょう。
次は、パソコンをWindowsPE 2.0のCD-Rから起動する。その起動方法は、こちらを参照願います。
4.保存先のドライブを調べる
最初に何故保存先のドライブを調べるか、それは、通常のWindowsXPを起動したときの、ローカルディスクのドライブとWindowsPE 2.0を起動したときのドライブが異なるからです。私の場合は、通常のWindowsXPを起動したときの、ローカルディスクのドライブは、「C:」と「E:」です。ドライブを調べるには、notepad.exe コマンドを実行します。
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、「notepad」コマンドを入力して「Enter」キーを押す。「無題・メモ帳」ウインドウが表示されるので、メニューバーの「ファイル」で「開く」をクリックする。 |
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(2)「開く」のウインドウが表示されるので、[コンピュータ]をクリックする。各ドライブが表示される。この中から保存先のドライブを選択する。この場合は、「F:」ドライブである。 |
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5.システムをバックアップする
システムは、C:ドライブに格納されている場合が多い。imagex /capture コマンドを実行して、イメージファイルでバックアップする。4項で調べたように、通常のWindowsXPを起動したときの、ローカルディスクのドライブの「E:」が、WindowsPE 2.0を起動したときでは、「F:」になっているので注意すること。「backup」フォルダは、前以て作成しておくこと。 作成していないと、「Error opening file [f:\backup\windowsXP.wim]とメッセージがが出ます。
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /capture c: f:\backup\WindowsXP.wim "2007-05-05"」を入力して、「Enter」キーを押す。処理時間は約50分。下記画面の「Progress: 100%」と「Successfully imaged c:\」が表示されれば、バックアップは完了です。 |
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私の場合は、C:ドライブは、9.8 GBあります。これがWIMイメージファイルでは、3.06GBでバックアップすることができました。
top へ6.システムを復元する
imagex /apply コマンドを実行して、イメージファイルをCドライブに展開(復元)する。 ImageXでは、イメージファイルを展開(復元)する場合は、イメージファイル内に存在しない展開先のファイルに対して何もしない。(展開先のファイルはそのまま残る。)ですから、バックアップを復元してもトラブルが解決しないかもしれない。完全にバックアップ時の状態に戻したい場合は、 あらかじめ展開先のドライブをフォーマットしてから復元しましょう。ただし、パーティションを変更すると復元ができないようですので注意してください。(管理人)
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /apply f:backup\WindowsXP.wim 1 c:」を入力して、「Enter」キーを押す。下記画面の「Progress: 100%」と「Successfully applied image.」が表示されれば、復元は完了です。 |
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ここまでで、システムのバックアップと復元ができます。7項目以降は、必要なときに参照してください。
7.差分をバックアップする
既存のイメージファイルに新しいイメージファイルを追加するには、imagex.exeに「/append」オプションを付けて実行すればよい。追加するイメージのマ前は既存のものと重複できないので、分かり易い名前に指定する。この方法でバックアップすると、1からバックアップするのではなく 、差分をバックアップして、既存のメージファイルに追加される。
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /append c: f:backup\WindowsXP.wim "2007-05-06"」を入力して、「Enter」キーを押す。処理時間は、5項に比べれば早く終わる。下記画面の「Progress: 100%」と「Successfully imaged c:\」が表示されれば、バックアップは完了です。 |
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8.除外リストを使用する
6項のシステムを復元する際、イメージファイル内に存在しない展開先のファイルに対して何もしない。(展開先のファイルはそのまま残る。)とあったが、逆にファイルが存在する場合は、展開先のファイルが最新データであっても、 無条件に上書きされてしまう。例えば、Outlook Expressの場合、ほとんど人が、デフォルト値で使用しているので、受信したメールをシステムと同じドライブにあるメールボックスファイルに追加されている。そこで、システムを復元すると、システムをバックアップした憩いの受信したメールの内容が失われてします。このような場合には、データの格納されているフォルダを除外したイメージを既存イメージファイルに追加しておく。そうすることにより、システム復元時に、メールボックスファイルは、除外されて、最新のメールを保存できる。
●設定ファイルファイルでの除外リストの指定方法 | ||
設定する項目 | 設定方法 | 設定例 |
特定の パス |
先頭に「\」を付けてルートからパスを指定する | \myfolder |
任意の パスに ある フォルダ/ファイル |
ファイル名またはフォルダ名のみを指定する(ワイルドカードが指定できる) | mafolder |
パスの 一部 |
相対パスでファイルやフォルダを指定する。(パスの最後の項目にもみワイルドカードが使用できる) | myfolder \myfile.txt |
(1)例として、メールボックスファイルを除外する。 「f:\backup\exclusionlist.ini 」ファイルに下記のデータを格納する。 |
[ExclusionList] \Documents and Settings\user1\Application Data\Identities \Documents and Settings\user2\Application Data\Identities \Documents and Settings\user3\Application Data\Identities |
(2)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /append /config f:\backup\exclusionlist.ini c: f:\backup\WindowsXP.wim "2007-05-07 exclude mailboxes"」を入力して、「Enter」キーを押す。下記画面の「Progress: 100%」と「Successfully imaged c:\」が表示されれば、バックアップは完了です。 |
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9.イメージを整理する
イメージファイルに複数のイメージを追加していくと、何を追加したのか忘れてしまう。また、不要なイメージは削除して、イメージの管理をする。先ず、イメージファイル内のイメージ情報を確認する。その後、不要なイメージは削除する。その手順を記す。
9.1 イメージ情報を確認する
イメージファイル内のイメージ情報の確認は、imagex.exeに「/info」オプションを付けて実行するが、 表示される情報が多いので、コマンドプンプトの画面上では内容が確認しにくい[手順(1)項]。 そこで、手順(2)項の「findstr」コマンドを組み合わせて必要な情報だけを表示するようにする。
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /info f:\backup\WindowsXP.wim」を入力して、「Enter」キーを押す。下記画面のように表示される情報が多い。 |
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(2)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /info f:\backup\WindowsXP.wim |findstr /c:"IMAGE INDEX" /c:/NAME」を入力して、「Enter」キーを押す。下記画面のように必要な情報のみが表示される。 |
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9.2 不要なイメージを削除する
9.1(2)項で、イメージ情報を確認して、不要なイメージを削除する。 例えば、9.1の(2)項のIMAGE INDEX="4"を削除する。とする。
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /delete f:\backup\WindowsXP.wim 4」を入力して、「Enter」キーを押す。下記画面の「Successfully deleted image.」が表示されれば、削除は完了です。 |
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9.3 イメージの削除を確認する
再度、9.1の(2)項のコマンドを実行する。
(1)WindowsPE 2.0 のコマンドプロンプト画面で、 「imagex /info f:\backup\WindowsXP.wim |findstr /c:"IMAGE INDEX" /c:/NAME」を入力して、「Enter」キーを押す。確かにIMAGE INDEX「4」であった「<NAME>2007-03-05 exclude maliboxes</NEAME>」は、削除されている。IMAGE INDEX「5」のIMAGEが「4」に繰り上がっている。 |
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これで、 WindowsXPシステムのバックアップ手順は終わりです。
このページを作成するに当たり、「な○の屋」さんに、アドバイスをして頂きました。お礼申し上げます。
月刊誌「PCJapan」 発行 ソフトバンク クリエイティブ株式会社
(2004.4 38-40)