やさしい講座 〜第61回 Vista の機能をもっと深く知る CD/DVDのライティング機能〜

Vistaの機能をもっと深く知る CD/DVDのライティング機能

 目 次

 ■Windows Vistaの標準CD/DVD書き込み機能
    ●パケット方式ライブファイルシステム形式
    ●マスタ形式
  ◆バケットライト方式のライブファイルシステムを使用する
  ◆一般的な書き込み形式のマスタ形式を使用する

 ■音楽CDを作成する

 ■DVDムービーメーカーでDVDビデオを作成する
  ◆すぐにDVDビデオを作成する
  ◆メニューをカスタマイズしてDVDビデを作成する

 ■Windowsフォトギャラリーの画像をCD/DVDに書き込む

 ■DVDビデオ形式のスライドショーDVDを作成する

 最近、CD/DVDドライブを使用するのは、ソフトをインストールするときだけで、ファイルやフォルダを書き込むときは、ほとんどUSBメモリを使っている。たまたま、CD-Rに書き込みで、「CD-Rによって書き込む手順が異なる。」という質問に出会った。確かに手順は異なるが書き込みはできる。しかし、CD-Rによっては、ファイルまたはフォルダの削除ができない。何故できないのかといろいろ悩んでいたときに、PCJapnに「Windows VistaのCD/DVDライティング機能」の記事があったことを思い出した。
 そこに、「Windows VistaではCD/DVDライティン機能が強化され、すべての CD/DVDメディアに書き込めるようになった。ただし、WindowsXPとは書き込み方法が異なるため、互換性などにトラブルが発生ずることがある。」とあった。これだと思い、この記事を読み直した。

■Windows Vistaの標準CD/DVD書き込み機能

  Windows Vistaの標準(ファイルまたは、フォルダ)のCD/DVD書き込み機能として、「パケット方式のライブファイ ルシステム」形式と「一般的な書き込み形式のマスタ」形式がある。

●パケット方式ライブファイルシステム形式

 ライブファイルシステム形式とは、UDF(※1)ファイルシステムを使用したパケットライト方式で、次の特徴がある。

  1. ファイ ルの追加や削除が手軽に実行できる。
  2. エクスプローラ上でファイルをコピーできるほか、アプリケーションから直接ファイルを保存することもできる。
  3. 書き換え可能なCD/DVDメディアをライブファイルシステムで使用する場合、削除したファイルの占有していた領域も空き領域として再利用で きるので、フロッピーディスクやUSBフラッシュメモリのような操作性が得られる。
     ただし、ライブファイルシステムでフォーマットしたメディアは、古いバージョンのOSやDVDプレーヤーなどのマルチメディア機器では読み込めないことがあるので注意が必要。

※1 UDF

 Universal Disk Format の略で、DVDなど光ディスク用に開発されたファイルシステム。WindowsXPは 2.0x、Windows Vistaは 2.6までの読み込みが可能。

●マスタ形式

 マスタ形式は、一般的なCD/DVDライティングソフトと同様な書き込み方式で、書き込み手順は WindowsXPと同じである。
                      目次へ

◆バケットライト方式のライブファイルシステムを使用する

  Windows Vistaでは、ブランクメディアをドライブにセットすると表示される自動再生メニューで下記画面が表示される。自動再生が無効になっている場合は、「コンピュータ」で該当するドライブのアイコンをダブルクリックする。

1.「ファイルをディスクに警き込む」をクリックする。
2.必要に応じて「ディスクのタイトル」にボリュームラベルを入力する。デフォルトでは、現在の年月日が入っている。
3.[次へ]をクリックする。
4.フォーマットが開始される。フォーマットが完了すると7.項に進む。
5.DVD-RWメディアはフォーマットに時間がかかることがあるため、下記のダイアログボックスが表示される。
6.[はい]をクリックするとフォーマットが実行される。
7.フォーマットが完了すると下記画面が表示され、ファイルやフォルダをドラッグ&ドロップするだけで書き込めるようになる。

  ここまでで、一応メディアに書き込み、読み込み、上書き、削除の操作ができる。
 次に、面白い現象に出くわしたので記述する。上記の画面で、操作が終了したので、右上の「閉じる」ボタンをクリックしてウインドウを閉じた。コンピュータ画面の、CD/DVDドライブを見ると「♪」マークが付いている。

1.CD/DVDドライブを見ると「♪」マークが付いている。
2.このドライブをダブルクリックした。
3.Windows Media Player の設定画面が表示される。
4.先に進まず「閉じる」ボタンで画面を終了させた。
5.コンピュータ画面で、CD/DVDドライブを選択して、ツールバーの
「取りだし」をクリックして、CD/DVDメディアを取りだした。

 取りだしたCD/DVDメディアをドライブにセットすると、自動再生メニューが表示される。
「コンピュータ」画面でCD/DVDドライブを見ると、「♪」マークが消えている。ダブルクリックすると、書き込んだファイルが表示される。
 ここで、分かったことは、ブランクメディアに書き込んだ場合は、一度、メディアを取りださないと、完全に書き込みが終了しないことですね。

1.自動再生メニューで下記画面が表示される。
2.「コンピュータ」画面のCD/DVDドライブは、「♪」マークがは消えた。
3.CD/DVDドライブをダブルクリックする。
4.今度は、ちゃんと書き込んだファイルが表示された。

 ライブファイルシステム形式は、ローカルディスクやUSBメモリの書き込みと同様な操作でできる。しかし、この書き込んだメディアをWindowsXPで使用すると、 読み込みはできるが、書き込みができないので注意すること。
                      目次へ

◆一般的な書き込み形式のマスタ形式を使用する

 このマスタ形式は、WindwsXPで書き込んだメディアをWindows Vistaで使用した場合に自動的にマスタ形式になると思います。操作手順は次の通りです。

1.WindwsXPで書き込んだメディアをWindows Vistaのドライブにセットすると下記画面が表示される。
2.マスタのラジオボタンが「オン」になっている。
3.「次へ」をクリックする。
4.セットしたメディが開く。
5.書き込むファイルやフォルダをドラッグ&ドロップする。
6.書き込みの準備ができたら、下矢印付きアイコンが表示される。
7.ツールバーの「ディスクに書き込む」をクリックする。
8.下記画面が表示されるので、「次へ」をクリックすると書き込みが始まる。
9.書き込みが完了すると下記画面が表示されるので、「完了 をクリックする。
10.書き込みしたファイル(フォルダ)の「↓」が外れる。

 これで、ファイルおよびフォルダの書き込みは完了する。しかし、このマスタ形式は次の欠点がある。

  1. ファイルおよびフォルダの「削除」ができない。
  2. Windows Vistaで書き込みすると、そのメディアをWindowsXPのドライブにセットした場合、読み込みはできるが、書き込みが出来なくなる。
                          目次へ

■音楽CDを作成する

 音楽CDを作成するには、Windows Media Playerを使用すると簡単です。操作は、次の手順です。 先ず、Windows Media Playerを起動する。下記画面が表示される。

1.「Windows Media Player」を起動すると、下記画面が表示される。
2.ツールバーの「書き込み」タブの下にある
「▼(ドロップダウンボタン)」ボタンをクリックする。
3.表示されたメニューの「オーディオCD」をクリックする。
4.右側にある「書き込みリスト」に書き込みたいファイルを追加
(ドラッグ&ドロップでもよい)する。
5.書き込みリストの下にある「書き込み開始」をクリックすると、
音楽CDの書き込みができる。
6.ブランクCD/DVDをドライブにセットしたときに
表示される自動再生メニューで「オーディオCDの
書き込み」をクリックして作成することが出来る。

 この音楽CDとして書き込みができるのは、Windows Media Player で再生可能な音楽ファイルのみです。
                        目次へ

■DVDムービーメーカーでDVDビデオを作成する

 DVDビデオの作成には、Windows DVDメーカーを利用する。ただ し、Windows DVDメーカーはWDDM 対応のグラフィックドライバが利用できる環境でのみ動作する。残念ながらWindows Vista Home BasicやBusinessには搭載されていない。
 どうしても、Windows Vista Home BasicやBusinessでDVDビデオを作成したい場合は、フリーソフトウェアの「DVD Flik」を利用するとよい。
 私は、使っていないが、下記のURLをクリックして
  http://www.dvdflick.net/download.php
開いたのページの、「DVD Flickのダウンロード方法」で、ダウンロードの手順に従ってダウンロードしてください。

◆すぐにDVDビデオを作成する

 DVDビデオで使用する動画ファイルを追加して、すぐにDVDビデオを作成する手順は次の通りです。

1.「Windows DVDメーカー」を起動する。
2.「写真とビデオの選択」をクリックする。
3.DVDビデオで使用する動画ファイルをドラッグ&ドロップ等で追加する。
4.「ディスクタイトル」タイトルを入力する。デフォルトは今の年月日が入力されている。
5.「次へ」をクリックする。
6.下記画面が表示されるので、「プレビュー」をクリックする。
「プレビュー」をクリックすると、DVDビデオ作成前のDVDビデオの動作を確認できる。
7.プレビューの確認が終わったら[OK]をクリックする。
8.「ディスクへの書き込み準備」画面に戻る。  
9.前以て、「DVD書き込み用ドライブ」に、ブランクメディアをセットしておく。
10.「書き込み」をクリックするとDVDビデオが作成が始まる。
11.DVDビデオの作成が完了すると、下記画面が
表示されるので、[閉じるを]クリックする。
                         目次へ

◆メニューをカスタマイズしてDVDビデを作成する

 メニューのテキストのフォントのデフォルトは「Segoe UI」である。このフォントを変更する場合やタイトルを変更したい場合は、「メニューテキスト」の機能を使用する。また、メニューの背景画像は、追加したビデオクリップから自動的に選択される。特定の映像を使用したい場合は、「メニューのカスタマイズ」の機能を使用する。「メニューをカスタマイズ」する手順は次の通りです。

1.「ディスクへの書き込み準備」画面がでたところで、右側にある「メニューのスタイル」から好きなメニューをクリックする。
2.画面がメニューのスタイルから選んだ画面に変わる。
3.「メニューテキスト」をクリックする。
4.ここで、「フォント」や「ディスクタイトル」、「再生ボタン」、「シーンボタン」を変更することができる、
5.変更した場合は、「テキストの変更」をクリックする。
6.「DVDメニューテキスト変更」画面で、変更した内容に表示が変わる。
7.「プレビュー」をクリックする。
8.「ディスクのプレビュー」画面で、[メニュー]をクリックする。
9.「メニュー画面」がプレビューされる。
10.「サイセイ」をクリックすると、13.項へ進む。
11.「シーン」をクリックすると、16.項へ進む。
12.「シーン」をクリックすると、18.項へ進む。
13.「ベニス」がプレビューされる。
14.「メニュー」をクリックすると、「メニュー画面」がプレビューされるので、9.項の操作に戻る。
15.[OK]をクリックすると、「ディスクへの書き込み準備」画面に戻る。
16.「ベニスの動画」をシーンごとに見られる。
17.「↑」ををクリックすると、「メニュー画面」がプレビューされるので、9.項の操作に戻る。
18.[OK]をクリックすると、「ディスクへの書き込み準備」画面に戻る。
19.メニューの背景画像は、追加したビデオクリップから自動的に選択される。特定の映像を使用したい場合は、「メニューのカスタマイズ」をクリックする。
20.「デスクメニュースタイルのカスタマイズ」画面で、メニューの前景画像やを背景画像を変更する。また、メニュー画像を表示中に再生されるBGMを設定することもできる。
21.[スタイルの変更]をクリックすれば出来上がり。
                         目次へ

■Windowsフォトギャラリーの画像をCD/DVDに書き込む

 Windowsフォトギャラリーでは画像をCD/DVDメディアにバックアップすることができる。これは標準のCD/DVD書き込み機能を呼び出すことにより実現しているので、ライブファイルシステムでフォーマットされたディスクがドライブにセットされていれば、コピーがすぐに実行される。マスタ形式の場合は、ドライブアイコンを右クリックして「ディスクに書き込む」を選択するまで書き込みは実行されない。

1.「Windowsフォトギャラリー」を起動する。
2.書き込むファイルをWindowsフォトギャラリーで選択する。
3.メニューバーの「書き込み」をクリックして、「データディスク」をクリックする。メディアがセットされていれば、書き込みが開始する。
4.マスタ形式の場合は、ドライブアイコンを右クリックして
「ディスクに書き込む」を選択するまで書き込みは実行されない。
                         目次へ

■DVDビデオ形式のスライドショーDVDを作成する

 Windows Vista Home Premium/ Ultimateでは、WindowsフォギャラリーからWindows DVDメーカーを呼出して、スライドショー形式のDVD ビデオを作成することも可能だ。まず、スライドショーで使用する写真をギャ ラリーで選択して、ツールバーの「書き 込み」ドロップダウンボタンをクリック し、「ビデオDVD」を選択する。写真が追加された状態でWindows DVDメーカーが起動するので、必要に応じて写真の順番を並べ替えるなどしてから DVDメディァに書き込みを実行すればよい。スライドショーにBGMを追加するには、「ディスクへの書き込み準備」画面で「スライドショー」ボタンをクリックして設定すればよい。

1.「Windowsフォトギャラリー」を起動する。
2.書き込むファイルをWindowsフォトギャラリーで選択する。
3.メニューバーの「書き込み」をクリックして、「ビデオDVD」をクリックする。
4.「Windows DVDメーカー」が起動する。
5.メニューを作成せずスライドショーのみをDVDビデオとして書き込む場合は、画面右下にある「オプション」をクリックする。
6.「DVDのオプション」画面で、DVD再生設定を選んでくださいの項目で、「ビデオの連続再生」のラジオボタンを「On」にする。
7.[OK]をクリックする。
8.「Windows DVDメーカー」画面に戻るので、[次へ]をクリックする。
9.「ディスクへの書き込み準備」画面が表示される。
ここで、メニューバーの「スライドショー」をクリックすると10.のスライドショー設定の変更」画面が表示される。
10.「スライドショー設定の変更」画面で、BGMの設定や画像の表示時間、切り替え効果などの設定ができる。
11.「スライドショーの変更」か「変更しない」をクリックする。
12.「ディスクへの書き込み準備」画面に戻るので、「書き込み」をクリックする。メディアがセットされていれば、書き込みが開始する。
13.書き込みが完了すると、下記画面が表示され
るので、「閉じる」をクリックする。
                          目次へ

 さあ皆さんもデジカメで取った画像ファイルを「Windowsフォトギャラリー」を使って、CD/DVDに保存しましょう。また、「Windowsフォトギャラリー」で、メニューバーの「書き込み」で、「ビデオDVD」をクリックして、「スライドショDVD」を作成しましょう。

                    このページのトップへ
  このページは、下記の書庫を参照しました。
   月刊誌「PCJapan」 発行 ソフトバンク クリエイティブ株式会社


inserted by FC2 system