パソコン三昧 やさしい講座 〜第79回 Excel 2007 の相対参照と絶対参照をマスタする〜

Excel 2007 の相対参照と絶対参照をマスタする


 Excel を操作するうえで基本となる重要な部分である「相対参照と絶対参照」の基本をマスタする。是非利用して下さい。

数式バーの表示の仕方は2通りある

 Excel でセルに数値、文字、数式などを記入する場合、列記号と行記号を組み合わせて「A1」、「B5」というようにして位置を表す。縦と横の記号や番号で位置を特定するので、一般に「セル座標」や「セル番地」と呼ぶが、Excel の正式名称では「セル参照」(Cell References)となっている。

「A1参照形式」と「R1C1参照形式」

 通常の数式の表示は、「A1参照形式」である。例えば、図1は、D3セルに
「=B3+C3」と入力した様子です。D3セルには「279,228」と計算結果が表示されている。
 「R1C1参照形式」に切り替えると、数式バーに次のように表示される(図2)。
「R1C1参照形式」に切り替え手順は、「●「R1C1参照形式」の切り替え」を参照して下さい。
  =RC[-2]+RC[-1]                            

 この表示は、Rのあとの[0]が省略されているので、これを補うと、次のようになる。Rは、行(Row)を、Cは、列(Columm)を表している。
  =R[0]C[-2]+R[0]C[-1]                        

 これは「同じ行の、2つ左側のセルと1つ左側のセルを、足す」という意味で、これがこのセルに入力されている計算式の内容です。しかし、これではあまりに分かりにくいので、一目で分かるように「=B3+C3」と置き換えて表示しているのです。

図1●D3セルに「=B3+C3」と数式を入力する。
 「Enter」キーを押して入力を完了すれば、D3セルには「279,228」と計算結果が表示される。
数式バーには入力した「=B3+C3」の数式が表示される。

図2●「R1C1参照形式」に切り替えると、数式バーには、「=RC[-2]+RC[-1]」と表示される。

「R1C1参照形式」の切り替え

 「R1C1参照形式」は、「A1参照形式」比べると分かりづらい面があるが、相対参照と絶対参照を理解するには最適な方式です。また、列方向のセルの数や位置が確認しやすいメリットもある。「AZ1」と書くよりも「R1C52」のほうが、どのあたりの位置のセルかがわかりやすい。
 「R1C1参照形式」に切り替える手順は次の通り。
1.「Office」ボタンをクリックする。
2.「Excel オプション」をクリックする。
3.「Excel オプション」画面で、左側にある「数式」をクリックする。
4.右側の画面の「数式の処理」で、「R1C1参照形式を使用する」のチェックボックスを「On」にする。
. 「OK」をクリックする。
.「A1参照形式」にするには、「Excel オプション」画面で、「数式の処理」で、「R1C1参照形式を使用する」のチェックボックスを「Off」にする。
. 「OK」をクリックする。

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数式は何故コピーできるのか?(相対参照)

 数式をコピーやオートフィル機能を使ってコピーしても、ちゃんと数式が変わってコピーができのは何故なのだろうか?

「数式」をコピーする

 数式をコピーやオートフィル機能を使ってコピーしても、ちゃんと数式が変わってコピーができている(図1)。コピーができていることを確認するために、セルに数式を表示させる。セルに数式を表示させる手順は、「●「数式」をセルに表示させる」を参照してください。次に「R1C1参照形式」に切り替えると、次のようにすべて同じ情報がコピーされていることが分かる(図2)。
  =RC[-2]+RC[-1]                            

 表面的にはセルの数式が変化している表に思えるが、実際にセルに入力されている「計算式の情報」は変わっていない。まさに、セルの内容がそのままコピーされている。ただ、これでは実際のセル位置が分かりにくい。そこで、A1参照形式では、実際のセル座標に置き換えて表示しているのです。このようにコピーしても自動的に対象となるセルに適した内容に調整されます。Excel では、こうした機能を「相対参照」と呼んでいます。

図1●D3セルの「=B3+C3」をオートフィルでコピーをする。
「数式」をセルに表示させる」に切り替える。
確かに各行に対応した数式がコピーされている。
図2●「R1C1参照形式」に切り替えると、実は同じ情報がコピーされていることがわかる。

「数式」をセルに表示させる

 「数式」をセルに表示させる手順は次の通り。
1.「Office」ボタンをクリックする。
2.「Excel オプション」をクリックする。
3.「Excel オプション」画面で、左側にある「詳細設定」をクリックする。
4.右側の画面の「次のシートで作業するときの表示設定」で、「計算結果の代わりに数式をセルに表示する」のチェックボックスを「On」にする。
. 「OK」をクリックする。
.「計算結果をセルに表示」するには、「Excel オプション」画面で、「次のシートで作業するときの表示設定」で、「計算結果の代わりに数式をセルに表示する」のチェックボックスを「Off」にする。
. 「OK」をクリックする。
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このページは、下記の書庫を参照しました。
 パソコン雑誌「PCJapan」 
  発行 ソフトバンククリエイティブ株式会社(2010.3 P104-107)

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