パソコン三昧 やさしい講座 〜第79回 Excel 2007 の相対参照と絶対参照をマスタする〜

Excel 2007 の相対参照と絶対参照をマスタする

累計の計算をする(絶対参照)

 「C支店」の累計を計算してみよう。

相対参照の場合の数式

 「C支店」の累積を計算するために、C3セルには「=B3」と入力して、C4セルには、上のセルと左のセル加算する数式(「=C3+B4」)を入力する。この方法だと「C4セル」をオートフィル機能を使ってコピーできる。確認をするために、「「数式」をセルに表示させる」に切り替える(図1)。また、「R1C1参照形式」に切り替えると、次のようにすべて同じ情報がコピーされていることが分かる(図2)。
  =R[-1]C+RC[-1]                            
図1●「C支店」の累計を計算する
1.「数式」をセルに表示させる」に切り替える。
2.C3セルに「=B3」を入力する。
3.C4セルに「=C3+B4」する。
4.C4セルをオートフィルを使ってコピーができる。
図2●「R1C1参照形式」に切り替えると、2行目以降は同じ情報がコピーされていることがわかる(R[-1]とC[-1]の組み合わせに注目)。

SUM関数を使って累計を計算する

 今度は、SUM関数を使って累計を計算してみょう。このやり方だと数式は1つでよい。C3セルに「=SUM($B$3:B3)」と入力する。「$」の付いたセル座標は絶対参照と呼ばれるもので、「コピーしても座標を置き変えない」ことを表している。入力の仕方は、「●「絶対参照」の記入方法」を参照して下さい。
 あとは、「C3セル」をオートフィルでコピーすればよい。確認をするために、「「数式」をセルに表示させる」に切り替える(図3)。絶対参照で記入した部分は、変化していない。また、「R1C1参照形式」に切り替えると、次のようにすべて同じ情報がコピーされていることが分かる(図4)。
  =SUM(R3C2:RC[-1]                         
図3●「C支店」の累計をSUM関数を使って計算する
1.C3セルに「=SUM($B$3:B3)」を入力する。
.「C3セル」をオートフィルでコピーする。
3.「数式」をセルに表示させる」に切り替える。
4.絶対参照で記入された部分は座標が変化していない。
図4●「R1C1参照形式」に切り替えると、すべて同じ数式であることが分かる。

「絶対参照」の記入方法

 「$」が付いたしてセル座標は「絶対参照」と呼ばれるもので、「コピーしても座標を置き変えない」ことを表している。「絶対参照」の記入方法は、セル参照の部分にセルポインタを置いて、F4キーを押す(図5、図6)。別なやり方としては、$記号をキーボードから入力しても構わない(図7)。ここで、注意することは、F4キーを押す度に「$」が切り替わることです。
「絶対参照→行のみ絶対参照→列のみ絶対参照→相対参照→絶対参照→・・・・」といった順番のトグルになっている(図8)。
図5●F4キーを使う方法
1.C3セルに「=SUM(B3」と入力したところで、F4キーを押す。
2.「$」が付く。続いて「:1B3)」と入力をする。
図6●数式バーで、F4キーを使う方法
1.C3セルに「=SUM(B3:B3)」と入力して、数式バーで、「$」を付けたい
セル参照部分をカーソルをポイントして、F4キーを押す。
2.「$」が付く。
図7●キボードの「$」キーを使う
1.C3セルに「=SUM($B$3:B3)」とキーボードから直接入力する。
図8●「F4」キーについて
F4キーは押す度に「$」付く部分が変わってくるので、注意が必要です。
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複合参照と応用問題

 F4キーを何回か押す度に、「$」の付く部分が変わってきた。と言うことは、「絶対参照」には、「行方向のみ絶対参照」や「列方向のみ絶対参照」というセル参照も作成できる。例えば「A$1」,「$A1」のように記入する。これを「複合参照」と呼ぶ。

複合参照の活用

 3つの支店について、4月からの累計を計算する。G43セルに数式「=SUM(B$4:B4)」を入力する。範囲の先頭セルは「行方向のみ絶対参照」となっているので、下方向にコピーしても、右方向にコピーしても、適切なセルを参照する数式を作成することができる。 下方向と右方向をまとめてコピーする場合は、G4セルを選択して、「コピー」の操作をする。次に、範囲選択(G5セルからI15セル)をして、「貼り付け」の操作をする(図1)。「絶対参照」の記入方法は、こちらを参照願います
図1●3つの支店の累計を計算する
1.G4セルに数式「=SUM(B$4:B4)」を入力する。
2.数式をコピーする場合は、C3セルを選択して、「コピー」の操作をする。
3.範囲選択(G5セルからI15セル)をして、「貼り付け」の操作をする。

数式の入力と同時にコピーをする方法

 最初に範囲選択(G4セルからI15セル)をして、数式バーに数式「=SUM(B$4:B4)」を入力する。そして、「Ctrl」+「Enter」キーを押して入力を完了すればよい(図2)。
図2●数式の入力と同時にコピーをする方法
1.先に範囲選択(G4セルからI15セル)をする。
.数式バーに数式「=SUM(B$4:B4)」を入力する。
3.「Ctrl」+「Enter」キーを押して、入力を完了させると、同時にコピーされる。

応用問題

 さて、最後に応用問題として、借入金の月返済額の一覧表を作成する。図3の左上にローンの返済額を計算している領域がある。300万円を年4%の金利で5年間借りたときの月返済額は、PTM関数で計算して55,250円である。その右下には、作りかけの表がある。列方向は「3年」から「10年」までの返済期間が、行方向は「1.00%」から「7.00%」までの金利が、項目名として設定されている。これらの組み合わせの月返済額を計算して、一覧表を作成しているところである。ここで、D9セルに数式を設定し、その数式をコピーして全セルに適切な結果が表示されるようにしたい。さて、どんな数式を作成したらよいだろうか。なお、借入金額は、C2セルに入力されているデータを参照する。
 相対参照と絶対参照をきちんと理解していれば、作業はとても簡単です。D9セルに次の様な数式を設定すればよい。「絶対参照」の記入方法は、こちらを参照願います
  =PMT($C9/12,D$8*12,-$C$2)
図3●借入金の月返済額の一覧を作成する
1.C2〜C4セルに借入金額、借乳期間、金利が設定されている。
2.C5セルに月返済額を求める場合は、数式「=PMT(C4/12,C3*12,-C2)」となる。月返済額を計算するために、金利と期間は月単位に変換している。
3.D9:K21を範囲選択する。
4.数式を作成する。金利は、C9:C21で「列のみ絶対参照」、期間はD8:K8で「行のみ絶対参照」、借入金額は、C2で固定なので「絶対参照」で設定する。
数式は「PMT($C9/12,D$8*12,-$C$2)」となる。
5.数式ができたならば、数式バーに入力して、「Ctrl+Enter」キーで入力を完了させる。
6.各セルに適切な数式が設定されて、月返済額の一覧表が作成できる。
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このページは、下記の書庫を参照しました。
 パソコン雑誌「PCJapan」 
  発行 ソフトバンククリエイティブ株式会社(2010.3 P104-107)

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